住宅防水の基礎を理解していますか?工務店や施工業者が絶対に守るべき住宅防水のはじめの一歩

「住宅防水」とは、文字通り住宅・家を水から守ること。主には雨漏りから家を守ったり、その侵入した水分によって木材が腐食したりすることを防ぐことを指します。新築から雨漏りする家なんてものは言語道断、ですが10年~20年と経過するにつれて家によっては雨漏りの症状が出てくる場合があります。

『最近の家は技術も進歩しているし雨漏りなんてしないだろう』と思われがちですが、実はちょっとした施工ミスや補強不備によって発生してしまうものです。太陽光パネルを取り付ける際の施工不良で隙間が空いて雨漏りするという問題も決して珍しくありません。またSNS上でも新築なのに雨漏りした家で苦しんでいる方がたくさんいるようです。

雨漏りの問題、もしあなたの工務店のお施主様で発生すれば責任問題になります。一度起これば大きなクレームに発展する可能性も高く、風評被害や裁判沙汰になる可能性もあります。

このように、住宅にかかわる我々にとって必ず実現していかなければいけない住宅防水。ではどのようにして住宅防水を実現していけばいいのでしょうか。

ここでは、工務店や施工業者が達成すべき2つの住宅防水、「雨漏り防止」と「壁体内結露の防止」について紹介します。

住宅防水その1:雨漏り防止

高温多湿で雨が多いとされる日本においては、雨の日には雨が家に当たり続けることになりますので雨から家を守ることはとても重要です。学生時代、学校の天井から雨漏りしてバケツを置いてある光景を一度は見たことがあるでしょう。あれが万が一自分の家で発生したら・・・と考えるととても恐ろしいことです。

特に木造住宅の多い日本において、雨漏りは柱や壁に用いられる木材を腐らせる原因となります。木材が痩せ細ることでさらなる雨漏り、建物の強度の低下、シロアリの発生にも繋がります。

「雨漏りといえば屋根」と思われるかもしれませんが、実は屋根だけでなく外壁や窓ガラスなどのサッシ部分、またベランダなど様々な場所で雨漏りが発生します。雨漏りの危険箇所においては特に防水性能の高い資材や、隙間を発生させない丁寧な防水施工を行い、施工不良が発生しないようにしていかなければなりません。

住宅防水その2:壁体内結露の防止

壁体内結露、という言葉は雨漏りよりは聞き慣れないかもしれません。雨漏りから家を完全に守ったとしても、あることが要因で壁の中で結露が発生することで木材を腐らせる可能性があります。これを「壁体内結露」と呼びます。

壁体内結露は、主に室外と室内の温度差によって発生する結露のことで、主に夏場に発生します。外は高温多湿、中は冷房などで温度が下がっている状態において、発生した温度差によっての壁体内の湿気が水分となって結露します。

これはペットボトルの外側に水滴がつくのと同じ現象です。ペットボトルを冷蔵庫に入れておいても水滴はつきませんが、夏場に冷蔵庫から出して持ち歩こうとすると外側に水滴が付きます。温度差がほとんどない状態から、冷蔵庫から出して温度差が発生して空気中の湿気が冷やされることでペットボトルに水分になって付着します。これと同じことが、家の壁の中でも発生しているのです。

壁の中で結露した水分は雨漏りと同じように木材を腐食させたり、グラスウールなどの断熱材を劣化させることにつながってしまいます。このような事態を防ぐために、壁体内結露が発生しないような防水施工を行わなくてはなりません。