家で雨漏りが起こりやすい場所TOP3。3位は軒、2位はバルコニー。では1位は?

『雨漏りといえば屋根から発生するもの』と思われがちですが、実際には雨は様々なところから侵入する可能性がありますので屋根だけ問題なければOKというわけではありません。

つまり工務店や施工業者にとっては、あらゆる危険性を考慮して徹底した防水施工が求められるということです。

雨漏りが発生しやすい場所のTOP3についてご紹介します。
※「日本住宅保証検査機構(JIO)」が2017年3月にまとめた実態調査をもとにしています

雨漏りしやすい場所 第3位:軒と外壁の取り合い部

第3位は軒と外壁の取り合い部です。

軒は、屋根からつたってきた雨が侵入しやすく特に雨漏りの危険性の高い場所です。軒と外壁では使う資材が異なり、担当する大工・職人も基本的には異なります。もし軒と外壁の繋ぎ目となる部分の雨仕舞いに施工不良があると、軒から入り込んだ雨水が外壁の内側へと伝わります。

特に最近は軒がなくスタイリッシュな家も増えています。本来軒は雨が直接家に当たらないようにする役割がありますが、軒がないことで雨や紫外線が繋ぎ目や外壁に直接当たり続けるため、施工不良だけでなく経年劣化の原因にもなります。さらに軒のない家での雨漏りは壁内に直接雨が入ることになり、木材の腐食、シロアリなどの被害にも直結します。軒はこうした被害から家を守る重要な役割もあるのです。

対策としては、万が一雨が侵入したときのことを考えて軒と外壁の取り合い部の防水施工をぬかりなく行うことが重要です。例として下記の図のように、外壁の内側に施工する透湿防水シートを垂木下まで施工することで雨水が壁内へ入ることを防ぐことができます。この施工に適した通常の透湿防水シートより防水性能の高いシートも販売されています。

※旭デュポン社ホームページ(https://www.tyvek.co.jp/construction/product/flushing/)より

他にも、水切り金具(雨仕舞板金)などによって雨水が軒へ侵入しないようにする、屋根部分に強力な防水紙を施工するなどの方法もあります。ただしどちらも完璧ではありません。水切り金具を接続する部分のコーキング剤は劣化しますし、防水紙の施工不良が発生する可能性もあります。屋根ばかりに目を向けるのではなく、最後の砦となる外壁での防水施工をぬかりなく行うことが重要です。

雨漏りしやすい場所 第2位:バルコニーおよび陸屋根

第2位はバルコニーおよび陸屋根となります。

バルコニー(ベランダ)のある家は多いですが、こちらも雨がずっと当たり続ける危険箇所になります。特にバルコニーの手すり壁の上部にある笠木部分や、バルコニーと外壁との接合部も軒と同様に隙間が発生しやすく雨水が侵入しやすい箇所です。

また陸屋根とはフラットな形状の屋根のことを言います。屋根がフラットな家は「屋根全面がバルコニーのような状態」ですので雨漏りの危険性が高いといえます。特に陸屋根と外壁の取り合い部にあるパラペット(低い手すり)は、バルコニーの笠木と同様に危険箇所です。

この対策として、バルコニーの笠木や外壁との接続部、パラペット上部の防水施工が必要となります。

笠木を例にすると、壁部分には透湿防水シート(図ではタイベック®)を施工し、その上から笠木を覆うような形で防水性能が高い水切りシートを施工します。万が一笠木部分が劣化したとしても、雨水が直接内側の木材に当たることを防ぎます。

他にも、バルコニーと外壁との接触部(直交部)、バルコニーの手すり壁の角部(出隅部)、も隙間が発生しやすいため、専用の防水部材が販売されています。大きな被害を未然に防ぐためにも、防水部材を使っていない場合は今すぐにでも導入を検討してみてください。

雨漏りしやすい場所 第1位:外壁

第1位は外壁です。意外にも最も雨漏りが発生しやすいのが外壁なのです。

外壁の中でも大きく分けると2つの原因に分かれます。

①外壁開口部の雨漏り

開口部というのは窓枠や換気扇などのダクト部のこと。壁に穴が開いている状態の部分を指します。

こうした場所には窓サッシやダクトといったものを施工しますので、施工したときの施工不良や隙間が発生することがあり、そこから雨漏りが発生します。

こうした隙間を埋めるためにコーキング剤などで処理を行うのですが、コーキング剤自体の寿命は5年~10年と言われていますので住んでから10年以内に雨漏りする可能性は大いに有り得ます。なので外壁周りは定期的なメンテナンスが不可欠な場所です。

②外壁材のヒビや隙間から雨漏り

外壁に施工するサイディングには窯業系や金属系など様々ありますが、こちらもサイディング同士の接合部はコーキング剤で隙間を埋めます。つまりこのコーキング剤が劣化した場合にはかんたんに雨水が壁の中へ侵入します。

ジョリパットや漆喰などに代表されるような塗り壁(塗材)を外壁にする場合にも危険性はあります。塗り壁は経年劣化してクラックと呼ばれる細いヒビ割れが発生します。このヒビから雨が侵入してしまうことで雨漏りが発生します。

雨漏りを防ぐための2重防水

外壁の隙間から雨水が侵入したとしても、いきなり壁の中に雨水が侵入するわけではありません。

現代の木造住宅では2重防水を行うのが一般的です。「通気層工法」といい、外壁の内側には通気層と呼ばれる空気が通る隙間を開け、さらに透湿防水シートという防水紙を内側に施工します。これで外壁から雨水が入り込んでも透湿防水シートがそれをせき止めて、通気層の下へ水が流れていくことで雨水の侵入を防ぐのです。

サイディングや塗り壁は経年劣化などによってヒビや隙間が発生してしまうものですから、これだけで雨漏りを完全に防ぐことは不可能です。したがって内側に施工する透湿防水シートこそが防水の重要な役割を果たす、いわば「最後の砦」なのです。

※雨漏り事故では、この透湿防水シートの施工不良や劣化が根本的な原因だというケースも多いです。外壁の施工不良だけでなく、透湿防水シートの施工不良を防ぐ、劣化しにくい透湿防水シートを使用するなどの意識もぜひ高めていただきたいです。

雨漏りで被害を受けるのはお施主様だけではありません。新築の家なら補修工事の対応も必要になるかもしれませんし、お客様からの信用を失いクレームや風評被害などに発展する可能性もあります。

地域密着の工務店だからこそ、最低限の雨仕舞いを徹底的に行い、お客様との信頼関係を崩さないようにしましょう。

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