【バルコニー出隅部の施工手順】フラッシングシート®とストレッチガード®を用いた防水施工
住宅においてバルコニーは漏水事故が多発する箇所であり、防水施工が何よりも重要になります。
今回はバルコニーの出隅部に注目し、出隅部における雨仕舞いの方法についてデュポン製品のフラッシングシート®とストレッチガード®を用いた施工手順を解説していきます。
目次
バルコニー出隅部の施工に用いるデュポン製の部材について
①フラッシングシート®
当サイトでは水切りシートとしてデュポン製のフラッシングシート®の利用を推奨しております。
このフラッシングシート®は、同じくデュポン製のタイベック®を基材とした耐久性・施工性の優れた水切りシートとして、当社からも多くの販売実績がございます。
特徴は次の4点です。
- 水に強くて強度の高いデュポン™タイベック®を基材としているため、高い耐久性
- 透湿防水シートのタイベック®ハウスラップと比べて厚みと防水性が約2倍
- 従来の水切りシートと比べて重さが約1/8と軽い
- 水切りシートでありながら透湿性能を持っており、壁体内の湿気を外に排出することで、躯体の劣化防止や結露の抑制効果がある
フラッシングシートの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
②ストレッチガード®
当サイトでは窓枠やバルコニー出隅部などで用いる防水角部材として、デュポン製のストレッチガード®の利用を推奨しております。
ストレッチガード®はシワ加工したタイベック®とブチルゴムを複合させた専用部材で、引っ張ると伸びる"伸張性"という性能を持つ部材です。
特徴としては次の3点です。
- 引っ張ると伸びる"伸張性"の部材のため、ストレッチガード®があれば様々な壁厚・取合いに対して施工箇所を覆うように一発施工が可能
- 防水テープの重ね張り等、施工者の技術に左右されやすい手法と異なるため、施工ミスを減らして施工品質を均一に保つことができる
- デュポン™タイベック®を用いた部材のため、プラスチック製の角部材と比べても熱劣化やひび割れのリスクも少なく、耐久性に優れている
今回はバルコニー出隅部ですので、ストレッチガード®出隅部用を用いて解説いたします。
ストレッチガード®についてはこちらの記事もご覧ください。
ということで今回はバルコニーの中でも出隅部にフォーカスして雨仕舞いを意識した施工方法についてお伝えしていきます。
※分かりやすいように当社推奨の以下商品を例にしています。
水切りシート:フラッシングシート®
防水ブチルテープ:ストレッチガード®
(いずれもデュポン製品)
■まずは動画で解説!
手順を動画で確認されたい方は、デュポン社が解説している動画をご覧ください。
※動画ではストレッチガード®の施工のみの説明となっています。水切りシートの施工からの手順や、施工中に注意する点やポイントなどについては下で解説していきます。
以下、文章でも補足していきますので、ご覧ください。
フラッシングシート®とストレッチガード®を用いたバルコニー出隅部の施工手順
■手順①バルコニー天端に両面ブチルテープを捨て貼り
まず水切りシートを施工する前に、バルコニー天端の中央部に両面ブチルテープを捨て貼りします。(図の黒い部分)
なぜブチルテープを捨て貼り?と思うかもしれませんが、これは笠木を固定する際のビス穴からの漏水リスクを減らすために貼ります。
つまり、バルコニー天端は水切りシートだけでなく、その下に両面ブチルテープを捨て貼りすることで特にビス穴に対して万全の漏水対策を行います。
Q:ビス穴を塞ぐ目的なら、ビスを打つ場所だけに両面ブチルを貼ればいいのでは?
と聞かれることもありますが、予防のためにも天端全体に貼ってください。
もしビスの場所だけに両面ブチルを貼ったとすると、上から水切りシートを貼るとブチルの場所が見えなくなります。
ビス穴の場所を間違えていたとしてもやり直すことが難しいです。
こうした施工ミスを防ぐためにも、天端全体に対して両面ブチルテープを貼るようにしてください。
■手順②フラッシングシート®を鞍掛けし固定
続いて、手順①で両面ブチルテープを貼った上から水切りシートを鞍掛けしていきます。
ここで注意点が2つあります。
注意その1:タッカーは水平面ではなく垂直面に打つ
フラッシングシートを固定するタッカーは、水平面ではなく必ず垂直面に打つようにしてください。
水平面にタッカーを打ってしまうと、タッカー穴からの漏水の原因となってしまいます。
注意その2:出隅部分は、木がむき出しになるように
水切りシートを鞍掛するのは入隅部分までにしておきます。
そうすると出隅部分は木がむき出しになりますが、その方がリスクの高い出隅部にストレッチガード®をしっかりと木に接着させることができます。
■手順③ストレッチガード®を用いて、入隅側から貼り付け
むき出しになっている部分をストレッチガード®を用いて覆うように施工していきます。
ストレッチガード®出隅部用には角に合わせるための目印として内角線が入っています。内角線を入隅部に合わせた上で剥離紙を半分程度まで剥がして位置を決め、入隅に向けて立ち下げるように貼り付けてください。
伸張性という性能を持つストレッチガード®は引っ張ると伸びますので、隙間ができないようにしっかりと貼り付けてください。
■手順④出隅側も貼り付けたら、余分になる部分を折り曲げる
最後は、剥離紙をすべて剥がして、出隅側も貼り付けていきます。このときもしっかりとストレッチガード®を引っ張って出隅部全体を覆い、木がしっかりと隠れるようにしてください。この際、シワや気泡などが発生しないように気をつけて接着してください。
最後に、出隅の角部分に余分ができますので、張り合わせて折り曲げてください。
Q:ストレッチガード®が出隅の角で余った部分は切ってしまってもいいの?
基本的には、余分ができた場合は上の図のように貼り合わせて折り曲げ、垂直面に対してタッカー留めしてください。
もしそれでも残っている部分が多く、笠木や胴縁の施工等で邪魔になる場合は、現場判断にはなりますが水が入る隙間が発生しないように気をつけた上で、1cmほど残してカットしていただくことが可能です。
実際に利用されている工務店様や施工業者様からの声
デュポン製品に切り替えていただいたご利用者様からの声をご紹介いたします。
ご利用者様からの声
・「これまでよりも手間が省けて、シンプルに施工が楽になりました。」
・「防水面を考えると、従来のテープ止めと比べると安心できる」
・「笠木の雨仕舞いにかける時間が、前よりも明らかに短くなった。」
・「従来の防水テープ止めのときにやり直しが何回もありましたが、今はやり直しがありません。」
このようにデュポン製品に切り替えたことで、現場での施工スピード、防水面の強化、施工の簡便さについてのコメントをいただいております。
よく聞かれる質問
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最後に残ってしまう余分な耳が、胴縁を打つ時などに邪魔になりますがどうすればいいですか?
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現場判断にはなりますが水が入る隙間が発生しないように気をつけた上で、1cmほど残してカットしていただくことが可能です。
ただしカットの仕方によっては漏水リスクが高まる可能性もありますので、施工の際はご注意ください。
-
なぜ出隅の部分に水切りシートを貼らなくていいの?
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水が入りやすい箇所が故に、木とストレッチガード®を直接接着させる必要があるからです。
これによりストレッチガード®のブチルが追従し、高い防水効果を発揮できます。
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万が一出隅箇所に水が入ってしまった場合、ブチルは透湿しないから湿気が抜けないんじゃないか?
また、フラッシングシート®の下にもブチルを捨て貼りしたら、湿気が抜けないのでは? -
フラッシングシート®は透湿性を持つ水切りシートになります。水の侵入を防ぐ一方で、湿気は外に逃がす効果があります。
このフラッシングシート®を使用することで、ブチルが接着していないところから湿気として排出してくれます。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日はバルコニー笠木の出隅部における防水施工の方法についてお伝えいたしました。
バルコニーはサッシなどと並んで漏水事故が発生しやすい場所ですので、水切りシートなどを用いて防水施工をしっかりと行っていただきたいです。
(Google画像検索より)
バルコニーが腐敗している悲惨な画像がネット上にUPされているのをよく拝見します。こうした事故が起こらないようにするためにも、施工する工務店様、施工会社様の丁寧な仕事が必要になります。
ぜひ念の為、現場で正しい施工をしているかどうかを今一度確認されてみてはいかがでしょうか。
デュポン™製品のお見積りはリックス工業へ
✓デュポン™製品専門代理店ならではの豊富な知識
✓対応スタッフ全員がデュポン™タイベック®マスターなどの専門資格を取得
✓製品販売だけでなく、施工方法のレクチャーなど柔軟に対応
✓必要な材料を必要な量だけ。邸別配送も可能
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その他、お客様のご要望にできる限り柔軟にご対応いたします。
デュポン™製品をご検討の際はぜひリックス工業株式会社までお問い合わせください。
お急ぎの場合は0285-25-6620(平日9:00-18:00)までお気軽にお電話ください。